写真は京都府亀岡市千歳町の出雲大神宮です。写真は5月ですが、今は拝殿には来年(令和6年)の干支である辰の大絵馬が据えられています。七〇九年の創建と伝えられ大変由緒ある神社です。

 実はこの神社は、兼好法師の徒然草(鎌倉末期、約七〇〇年前頃に書かれたらしい)のなかの一段に登場するのです。写真の右下に高札が掲げられており、次のように綴られています。

 <ある時、聖海様と言う御上人が都から皆を引き連れて参拝された折り、神社の本殿の前にある獅子と狛犬が背を向けあって後ろ向きに立っているので、これはきっと深いいわれがあるに違いないと御上人は感激のあまり涙ぐんで仰せられ、皆も深く感じ入っておりました。ぜひそのいわれを知りたいと神官に尋ねてみると、その神官は、「また近所のガキどもがいたずらをしおって」と、こともなげに獅子と狛犬をくるりと廻し正しく向き合わせました。上人様の感激の涙は虚しいものとなったということです。>

 なお当の獅子と狛犬は拝殿の前のもの(写真の右にもう一体が鎮座)ではなく、奥まった朱塗りの本殿の前扉左右に置かれているものだと思われます。その場所も当時は悪ガキどもの遊び場であった様ですが、今では聖域となっており現代の悪ガキどもは立ち入ることはできません。したがって獅子と狛犬はいつも正しく向き合い静かに鎮座しています。ぜひご参拝いただき徒然草ゆかりの獅子と狛犬を探して見てください。

 昔のことですが神社の境内に幼稚園がありました。園主(農園の)は卒園生です。当時の境内は深閑としていた印象が記憶にありますが、近年、京都丹波のパワースポットとしてとみに著名になりました。初詣の期間は大混雑しますので、狛犬探しは日を選ばれた方がよろしいかと。

2023年12月25日

 

 CMソングの「赤いトラクター」はヤンマーでしたが、こちらはクボタL1500です。昭和46年(1971年)ごろに発売されたようで、実に半世紀を超えています。今でも力強く土を掘り返し立派な現役です。冬期には屋内のコンクリート床にじゅうたんを敷き、エンジン部分には毛布を掛けて大切に保管しています。もう少しすると産業遺産になりそうです。

                        2023年4月16日